模型と政治のかかわり
TV宣伝で日本中の子供の人気を集めたト−マス。貿易の自由化でヒット
実物が存在すれば必ず模型が生まれる。若し実物が政治に左右されるなら、模型の世界も然り!
事実、私の少年時代はそうだった。玩具は軍国采の類が多かった。鉄砲は勿論、火を吐き出しながら、ゴムのキャタビラで走る戦車。模型飛行機も性懲りもせず大分作った。日の丸つけたゼロ戦、隼だ。蒸気機関車の玩具も多かった。木製もあればブリキ、金属製もあった。資本主義時代の先駆者、花形であった蒸気機関車は、富国強兵の国策の中でひたすら大量資源、大量物資の輸送、三井、三菱、住友などのために、低資源を口実に侵略戦争を肯定させられ、黙々と驀進したでわないか。戦後の復興に果たした牽引力抜群の蒸気機関車、想い出して然るべし。
現在、日本中を駆け巡ったSL達は巷の公園で夜露を凌いでいる。松山市の海の見える小さな公園に往年の豆蒸気機関車クラウスが立派な車庫でやさしく展示されている。実機の消滅と共に模型蒸気機関車も模型の世界から消えて行く。