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旧小野瀬邸登録文化財記念イベント

平成17年5月15日
旧小野瀬邸登録文化財記念イベント

 
当市民の会では、旧小野瀬邸が龍ヶ崎で初めてとなる国の登録有形文化財に認定されたことを、市民の皆さまと共に喜び合うため、本日5月15日、記念イベントを開催いたしました。
前日の雨模様に引きつづき、朝からどんよりとした肌寒い朝。ところが午後になると晴れ間がのぞき、会場となる旧小野瀬邸には暖かな日差しがに差し込み、とても良いイベント日和となりました。私たちは今日の、この日のために、準備とリハーサルを重ねてまいりました。何としてもこの企画を成功させたいという、私たちの強い思いが天に通じたのでしょうか、開演前からお客様がたくさん集まりました。その反応に、大成功の予感がありました。

 
入り口受付では、パンフレットを配布するとともに、歴史民俗資料館発行の「昭和10年の龍ヶ崎を写した幻の映像」を販売いたしました。 1階踊場には昭和10年の映像に出てくる建物と、現在の姿を対比した写真集を飾りました。 1階奥の間ではお茶会が始まっています。旧小野瀬邸はイベント色一色です。
 

受付にて 龍ヶ崎と昔と今、写真の展示

 


お茶会

2階メイン会場では 「旧小野瀬邸は龍ヶ崎にとって始めての登録文化財で、オーナーにとっても、市民にとっても大変喜ばしいことです。この喜びを皆さまとともに分ち合いましょう」と副会長前田の簡単な挨拶。続いて旧小野瀬邸オーナーの菅井氏婦人が登録文化財プレートを掲げて皆さまに披露すると、大きな拍手が湧き上がりました。 午後2時、イベントの開幕です。
 

前田の挨拶 小林が司会を

 
続いてメイン会場ではミニ講演会とビデオ上映会が始まりました。 まず、ミニ講演では、神戸先生の「「小野瀬邸の建築について」、鈴木先生の「龍ヶ崎の歴史と小野瀬邸について」、二人の先生にお話していただきました。続いて「オカリナアンサンブル織音」によるオカリナの演奏です。軽快な曲を3曲選んで演奏していただきました。ちょっとした気分転換が出来ました。続いて「昭和10年のビデオ上映会」です。まず昭和10年の略図を説明したあと、鈴木先生・久保田役員の解説入りでビデオの上映をいたしました。上映後ビデオに登場する建物にスポットを当て、神戸先生からそれぞれの建築様式に付いて解説していただきました。
実に盛りだくさんな内容となっておりますが、午後2時5分に始まり、3時15分までの短時間に収まるようプログラムいたしました。私たちはリハーサルを重ねた甲斐があって、何とかこの分刻みのプログラムをこなすことが出来たのです。


気分転換にオカリナの演奏(オカリナアンサンブル織音)
2階メイン会場で演奏後、一階入り口でも
たくさんの曲を演奏していただきました。

ミニ講演会とビデオ上映会は、メイン会場となる2階2間続きの和室で行いました。会場は廊下も含め50名ほどでいっぱいです。予想来訪者は当初50人ぐらいを見込んでいて、これで何とかなるだろうと考えておりました。ところが準備を進める段階で、50人を遥かに越えることが予想され、2回講演のスケジュールを水面下で立てておりました。
ふたを開けてみると予想をはるかに越える大勢のお客様に嬉しい悲鳴。やはり2回講演となりました。1回目が定員を超える70名、2回目が50名の方にご覧いただきました。この日、旧小野瀬邸を訪れた方200名。一部の方にご覧いただけなかったことを深くお詫びいたします。
 
午後3時30分から2回目のミニ講演会及びビデオ上映会を行ないました。会長佐川の挨拶に続き、神戸先生の「「小野瀬邸の建築について」のミニ講演、そして「昭和10年のビデオ上映会」を行ないました。上映中の解説は久保田役員が担当いたしました。プログラムの関係上鈴木先生のミニ講演が省かれたことをお詫びいたします。
その分、ポイントになる建物の場面で映像をストップし、神戸先生から建物について詳しく説明を聞くことが出来ました。2回目のお客様に対しても、1回目と比べて上映の手法こそ異なりましたが遜色のない内容になったと思っております。
2回目の講演会、ビデオ上映会と平行して、別階段の2階和室では「小野瀬邸を語る会」を催しました。小野瀬邸と関わりのあった6名の方をご招待して、小野瀬邸に関すること、忠兵衛さんに関することを懐かしみながら話していただきました。
また、入り口ではオカリナの演奏が軽快に響きわたり、来ていただいた皆さまに旧小野瀬邸でのひと時を、ゆっくりと楽しんでいただました。

午後4時30分 イベント閉幕
 

 

オカリナアンサンブル織音
6名による演奏
小野瀬邸を語る会
鈴木先生をリーダーに、お話は白熱

 

神戸信俊先生について

土浦市文化財保護審議会委員。旧小野瀬邸の文化財への登録に関しては、いろいろと尽力をいただきました。
今回のミニ講演会では、「小野瀬邸の建築について」と題してお話いただきました。店舗部分の欅材の大黒柱や、天井に使われた一枚板、大きくうねった海老紅梁は明治以降に立てられた剛直な店舗建築の典型であること、中から外の様子を覗き見るための格子戸の役割、半地下で生活をする使用人の役割、廊下の桁に使用されている一本の丸太桁の貴重さ。砂町の小宮山邸との関連など、お話していただきました。


神戸先生

鈴木久先生について

河内町文化財審議委員。竜ヶ崎二高元教員で郷土史家。小野瀬忠兵衛に関する歴史や龍ヶ崎の歴史との関わりなど、当市民の会としてはたくさんの事を教えていただきました。今回のイベントの準備段階から、私たちと一緒に町歩きや聞き取り調査をしていただきました。
ミニ講演会では、龍ケ崎の歴史の概略や、筆忠と呼ばれた小野瀬忠兵衛の5代わたるそれぞれの時代のお話をしていただきました。


鈴木先生

 

昭和10年の記録映画「龍ヶ崎を写した幻の映像」とそのビデオ上映について

昭和10年に龍ヶ崎で行われた「農業祭」の模様を記録した7分間ほどの短いフイルムで、県下でも珍しく非常に貴重な記録です。今回のイベントにあたり、その記録フイルムのビデオ化されたものを龍ヶ崎市歴史民俗資料館からお借りしました。
今回の上映方法は、単に上映するだけでなく、場面場面で鈴木先生(2回目は久保田)に解説を入れていただき、尚且つ、主要な建物に付いては画像を現在の写真と切り替えて対比するという、趣向を凝らしてみました。
まず、内田信也鉄道大臣が登場し、祝辞を述べるシーン。その字幕を当会佐川が読み上げました。続いてスクリーンには龍ヶ崎駅前が映ります。龍鉄が出発したところでしょうか、もくもくと煤煙が立ち昇るシーンが印象的です。観客から、お~お、という歓声が上がりました。途中クイズ形式で、お客様に問うこともありました。上町交差点から新町を望む場面で、しいの木が写っています。映像を止めてお客様に「ここはどこでしょう?」と質問してみました。答えが返ってきません。さて現在の写真に切り替えると、市民活動センターの入っているNTTビルでした。こういう質問は年配の方にとっても難しいようです。映像はメイン会場の竣工まもない龍ヶ崎小学校に移ります。教室内に展示された企画展を見入る人の姿、山高帽に羽織袴、そこには戦前の忘れられた日本人の姿が映っていました。映像は続いて龍ケ峰から見た龍ヶ崎小学校の校庭です。校庭越しに見える風景は八代方面の山々です。現在、済生会病院が建っているあたりでしょうか。この辺は現在は竜ヶ崎ニュータウンとして著しく変貌を遂げています。つづいて横町、下町、砂町、根町と細切れにカメラは町の風物を捉えます。ポイントになる建物で映像をストップし、現在の写真と比較します。龍ヶ崎町役場の場面でストップして、現在の写真と対比すると、立地の位置関係の意外さに驚きの声が聞こえました。小野瀬商店倉庫の場面で切り替えると、高層マンションに様変わりしたした写真を見てため息が。空しさを感じた方も多かったようです。そして、愛宕山では園遊会が開かれています。日中戦争に間もなく突入する昭和10年という時代を考えると、人々はこんなに楽しくて、愉快な時代の終焉を感じつつ、総てのエネルギーを発散して遊興にいそしんでいたのでしょうか。最後に映像は龍ヶ崎中学(現竜ヶ崎一高)へ移ります。講堂前では日の丸掲揚、校庭では生徒たちの軍事教練が既に始まっていました。
これで上映は終わりですが、引き続いて神戸先生から、ビデオに出てくる重要な建物をピックアップして、パワーポイントによる解説をしていただきました。鍵久商店、龍ヶ崎役場、萬福屋商店、龍ヶ崎警察、そして龍ヶ崎中学と、それぞれの特色を話されました。特に最後の龍ヶ崎中学の講堂に関しては「土浦一高と同じ駒杵勤冶の設計で、土浦では今でも大切に保存されているのに、龍ヶ崎では壊されてしまった。現在の講堂とは比べようもない立派な建造物でした。残念でしかたがない。」と、話されました。


DVDによる「龍ヶ崎を写した幻の映像」のビデオ上映

 

 このイベントにご参加いただいたた皆さま、どうもありがとうございました。